憲法学会のご案内


憲法学会第100回総会並びに研究集会を、下記の通り開催いたします。ご多忙中とは存じますが、万障お繰り合わせの上ご出席下さいますよう、ご案内申し上げます。

平成20年9月3日

憲法学会理事長代行 高乗正臣

1.日時

2008年10月 25 日(土) 午前10時より午後5時まで

受付開始 午前9時30分

2.会場

国士舘大学(世田谷キャンパス34号館B-305)

〒154-8515 東京都世田谷区世田谷4-28-1

電話 0596-22-0201(代)

会場へのアクセス方法は、こちらをご覧ください

3.総会幹事

国士舘大学    野 敏春

4.研究報告

午前の部

アメリカ合衆国憲法成立初期における司法権概念

明治大学大学院   成瀬トーマス誠

司 会  近大姫路大学  間宮庄平

付随的審査制の欠陥と課題−最高裁判所の地位と性質−

洗足学園短期大学   杉山幸一

司 会  東洋大学  名雪健二

午後の部

現代立憲主義の衣鉢を目にして

道都大学   新庄勝美

司 会  志學館大学  長谷川史明

国家機関の法概念

日本大学   関根二三夫

司 会  平成国際大学  慶野義雄

グローバル法とトランス・ナショナル・コンスティテューショナリズム

立命館大学   龍澤邦彦

司 会  東洋大学  齋藤洋

5.役員会

総会当日の昼食時に開催の予定です。

6.総会  

昼食後の午後1時30分より行います。

7.懇親会

午後5時30分より同大学世田谷キャンパス34号館A-10階、スカイラウンジで行います。

8.その他

  1. 総会及び懇親会の出欠について、同封はがきで、10月18日(土)までにご返信下さい。
  2. 平成20年度の会費(機関誌代を含む)8,000円を未納の方は、会場の受付にてお納め下さい。
  3. 懇親会にご出席の方は、懇親会費6,000円をいただきます。
  4. 平成18年度以降の主要な研究業績、学会に企画して欲しいテーマもしくは発表希望テーマを同封のはがきでお知らせ下さい。会員の方には、はがきに発表希望テーマを積極的に記していただき、その中から発表者を原則として決めることに致します。
  5. 会場付近の案内は、下記をご覧下さい。
  6. 宿泊につきましては、直接ご手配ください。

本会は、既にご承知のごとく、昭和34年4月「万国の憲法に通ずる普遍的原則を究明するとともに、わが国固有の独自性の上に憲法生活を確立する」ことに寄与することを目的として結成されたものでありますが、この際入会希望者をご紹介くださる方には、所定の入会申込書をお送り申し上げますので、その旨お知らせ下さい。

 


第100回憲法学会研究集会発表要旨

 

アメリカ合衆国憲法成立初期における司法権概念

明治大学大学院   成瀬トーマス誠

要旨

 日本の政教分離訴訟において、権利侵害の不在から、しばしば原告適格が否定されている。その一方でアメリカにおいては、私権保障型憲法訴訟という「大枠」は日本と共通であるにもかかわらず、権利侵害を必ずしも要件とせずに、原告適格を広く認めている。このような違いは何に由来するのか。その手がかりとして、アメリカ合衆国憲法制定過程及び制定直後において司法権がどのように捉えられてきたのかを観察していきたい。

付随的審査制の欠陥と課題?最高裁判所の地位と性質?

洗足学園短期大学   杉山幸一

要旨

 わが国の違憲審査制は付随的審査制とされ、憲法上その終審を最高裁判所としている。したがって、最高裁判所の憲法判断を求める途が開かれていなければならない。しかし下級裁判所判決、いわゆる「ねじれ判決」はこれを無視するものである。この判決は、わが国の制度的な欠陥のために生じたものであり、憲法81条違反の疑いの強いものである。
 そこで本報告は、「ねじれ判決」の問題点を指摘し、この制度的な欠陥を補うために、近年いわれていた憲法裁判所導入論などの制度改革を再検討し、わが国の違憲審査制における欠陥と課題を通じて最高裁判所の地位と性質を考察する。 。

現代立憲主義の衣鉢を目にして

道都大学   新庄勝美

要旨

 個人の自由保障と統治の必要性を同時に成立させようとする思索として、近代立憲主義とリベラリズムがあげられる。いずれも、憲法学の主要課題である「国家ないし法はどこまでのことを規制しうるか」という問いに関連してくる。報告では,@人権理念の指標を規定し直す、A「抵抗の憲法学」からの脱却、B立憲主義の詐称、といったテーマを取り上げる。ここで明らかにしたいのは、理論を僭称する観念が話を混乱させ、誤解を生むこともまた一再ではないことである。

国家機関の法概念

日本大学   関根二三夫

要旨

 日本国憲法においては、国家それ自体が如何なる存在であるかを、実定法上明確に定義しない。それ故、国家機関の法概念もまた、明確さを欠いている。国家機関の法概念については、G.イェリネクの所論を始め多く論じられてきているが、具体例を参考にそれらを整理し、国家機関の法概念を再認識することにより国家の在り方を問うてみたい。

グローバル法とトランス・ナショナル・コンスティテューショナリズム

立命館大学   龍澤邦彦

要旨

 中心的な権力機構が存在しないという意味でアナーキーとされる国際社会の法秩序は、従来、国際法と国内法によって形成されていた。しかし、グローバリゼーションの進展による非国家主体の権限の承認とグローバル・ガバナンスへのその包含により形成されつつある、機能的適用によるグローバル法がこれに加わりつつあると思われる。将来的な国際関係法制度の形成にあたって、このグローバル法発展に方向性を与える根本規範が形成されることが、アナーキーな国際社会を次第に成熟の方向に導くために重要である。



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