憲法学会のご案内


憲法学会第102回総会並びに研究集会を、下記の通り開催いたします。ご多忙中とは存じますが、万障お繰り合わせの上ご出席下さいますよう、ご案内申し上げます。


平成21年8月14日

憲法学会理事長  高 乗 正 臣


PDF版の開催案内ファイルはこちらをご覧ください。

1.日時

10月 3 日(土)午前10時より午後5時まで

受付開始 午前9時30分

2.会場

京大会館

〒606-8305 京都市左京区吉田河原町15-9

電話 (075)-751-8311(代)

会場へのアクセス方法は、こちらをご覧ください

・京都駅より市バスD2のりば(206)。
四条京阪より(南座向い)(201)(31)
いずれも「京大正門前」下車
・三条京阪より京都バス17番のりば出町柳経由系統「荒神橋」下車
・京阪線「丸太町駅」下車 徒歩約7分

3.総会幹事

大阪国際大学 奥村文男

4.研究報告

午前の部

(1) 国際思想における共和主義の影響 − システム理論からの考察 −

立命館大学 川村仁子

司会 立命館大学 龍澤邦彦

(2) 皇室財政制度の実態と変遷

日本大学 山田亮介

司会 日本大学 百地章

午後の部

(3) イスラエルにおける首相公選制の理念と現実

清和大学 岡田大助

司会 近畿大学 石田榮仁郎

(4) 憲法31条と罪刑法定主義 -明確性の原則と実体的デュー・プロセスの理論に関する検討-

國學院大学 菅原由香

司会 大阪国際大学 奥村文男

(5) 国籍法違憲判決(最大判平成20年6月4日)の再検討

早稲田大学 樋口雄人

司会 苫小牧駒澤大学 東 裕

5.役員会

総会当日の昼食時に開催の予定です。

6.総会

昼食後の午後1時30分より行います。

8.その他

(1) 総会及び懇親会の出欠について、同封はがきで、9月26日(土)までにご返信下さい。

(2) 平成21年度の会費(機関誌代を含む)8,000円を未納の方は、会場の受付にてお納め下さい。

(3) 懇親会にご出席の方は、懇親会費6,000円をいただきます。

(4) 平成19年度以降の主要な研究業績、学会に企画して欲しいテーマもしくは発表希望テーマを同封のはがきでお知らせ下さい。会員の方には、はがきに発表希望テーマを積極的に記していただき、その中から発表者を原則として決めることに致します。

(5) 会場付近の案内は、下記をご覧下さい。

(6) 宿泊につきましては、直接ご手配ください。

(7) 総会並びに研究集会の開催日が、10月3日(土)になりました。前回総会時の発表内容と異なっていますので、お間違いのないようにご注意願います。


 

第102回憲法学会研究集会発表要旨


 

国際思想における共和主義の影響 − システム理論からの考察 −

立命館大学 川村仁子

共和主義は古代ギリシア・共和政ローマにその起源を持つ政治思想/理論であり、近代化の流れの中で一般的な政治的思考方法としてはリベラリズムにとって代わられたと考えられていた。しかし、個人主義に重点を置いたリベラリズム的政治理論の限界が指摘されるなかで、個人の協働によって形成される共同体を基盤とした政治理論としての共和主義が再評価されている。今回の報告では、共和主義が国際理論に与えた影響と、グローバル・ガバナンスにおけるその可能性を検討する。


 

皇室財政制度の実態と変遷

日本大学 山田亮介

今日の皇室財政をめぐる様々な問題点を指摘した上で、近代以降の皇室財政制度の変遷を概観する。その際、現在の憲法や皇室経済法上の規定と関連して、明治憲法・旧皇室典範における皇室財産の性質や、戦後の憲法起草過程でGHQと日本政府の間で行われた議論についても考察を加えたい。また皇室財産の公私等を考える上で重要と思われる世襲財産という概念に関しても、これからの研究の展望とあわせて言及しようと思う。


 

イスラエルにおける首相公選制の理念と現実

清和大学 岡田大助

臨戦国家であるが故に強い行政権を必要とするイスラエルは、過去3度に亘って首相公選制を実施したが、結局廃止した。その制度導入による改革の試みは、行政権の強化という理念と逆行し、現実にはむしろ公選首相の指導力の後退という、行政権の弱化をもたらした。なぜ理念どおりに機能しなかったのか。それは必ずしもイスラエルにおける制度と国情の相性の不一致だけではない。本報告においては、その原因を明らかにしたい。


 

憲法31条と罪刑法定主義 - 明確性の原則と実体的デュー・プロセスの理論に関する検討 -

國學院大学 菅原由香

罪刑法定主義の原則の根拠は一般に憲法31条に求められると解されているが、その具体的内容、すなわち何がどの程度まで保障されるのかに関しては学説上争いがあり、また判例はこれを認めることに消極的である。そこで本報告では罪刑法定主義から導き出されると言われる明確性の原則や実体的デュー・プロセスの理論、罪刑均衡の原則を検討し、どこまでが憲法31条によって保障されるかについて考察してみたい。


 

国籍法違憲判決(最大判平成20年6月4日)の再検討

早稲田大学 樋口雄人

日本国民である父によって出生後に認知された子について準正の場合にのみ届出による日本国籍取得を認めていた国籍法3条旧1項を違憲と断じた標記最高裁判決に関しては、その憲法適合性判断に際しての基本的な姿勢・方法につき数々の問題点があると指摘されている。本報告では、判決日から現在までに出された本判決に関する評釈・論考を整理しつつ、本判決が〔反面教師として〕示唆する「わが国における違憲審査制のあるべき姿」を提示したい。



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