憲法学会第103回総会並びに研究集会を、下記の通り開催いたします。ご多忙中とは存じますが、万障お繰り合わせの上ご出席下さいますよう、ご案内申し上げます。
平成22年4月28日
憲法学会理事長 高 乗 正 臣
会場へのアクセス方法は、こちらをご覧ください。
・JR苫小牧駅北口から市営バス「駒沢大学前」行所要時間約35分
・JR錦岡駅から市営バス「駒沢大学前」行所要時間約8分
(1) 総会及び懇親会の出欠について、6月19 日(土)までに総会幹事までご連絡下さい。
(2) 平成22 年度の会費(機関誌代を含む)8,000 円を未納の方は、会場の受付にてお納め下さい。
(3) 懇親会にご出席の方は、懇親会費6,000 円をいただきます。
(4) 平成20 年度以降の主要な研究業績、学会に企画して欲しいテーマもしくは発表希望テーマを出欠確認のはがきでお知らせ下さい。会員の方には、はがきに発表希望テーマを積極的に記していただき、その中から発表者を原則として決めることに致します。
(5) 会場付近の案内は、上記URLからアクセスマップをご確認ください。
(6) 宿泊につきましては、直接ご手配ください。
昨年8月30日に行われた総選挙以後、議会政治のあり方が問われている。多くの批判は個々人の議員に対するものにとどまっているが、本来は、憲法が期待する議会像と選挙制度の関係、さらにそれを活用する人の問題までも考慮に入れる必要があろう。そこで、本報告では、憲法が期待する議会像と選挙制度の関係を念頭に置きながら、選挙制度の変遷を憲法政治学の観点から検討することとしたい。
日本国憲法は二院制国会の理念を明らかにせず、各議院の組織方法を法律に丸投げしているため、選挙制度の妥当性を憲法に照らして判断することは困難である。そこで、衆議院については、諸国に共通する第一院としての役割にふさわしい選挙制度のあり方を考え、参議院については、過去および現行の選挙制度に対する評価から人びとの期待を汲み上げることで、立法政策を通じて有意な第二院を再構築する可能性を探ってみたい。
今後の選挙制度に求められる機能は何か。議会には国民の多様な意見が最大限反映されるべきだという見解がある。本当にそうか?もしそうであれば表出機能に特化した選挙制度にすればよい。しかしそれでは集約機能が犠牲になり、政策形成は滞り、政権運営に支障をきたす。本報告では小選挙区制の機能を検討し、それが本当に二大政党制と強い相関性があるものなのか、そしてその効果はどうなるのか、などの点を考察してみたい。
国民国家論を踏まえ、選挙権の意義および国民主権との関係、選挙権と国籍および国籍取得の条件との関連、諸外国における外国人参政権論とその実態等を明らかにすることによって、外国人への参政権付与の問題点を原理的な視点から解明してみたい。また、外国人参政権を巡るわが国の学説や判例の動向、さらに平成7年2月28日の最高裁判決の論理構造や矛盾点を徹底的に分析・解明することによって、部分的許容説の問題点を剔抉したい。
現行憲法下のわが国は、イギリス流の議院内閣制を採用している。そのイギリスは、小選挙区制を採用し、二大政党制をずっと築いて来ている。小選挙区制における有権者の候補者選択は、誰が首相になって欲しいかの選択でもある。分かり易い選挙である。わが国の選挙はどうか。衆・参ともにどうも分かり難い。重複立候補制、敗者復活制、惜敗率等々、有権者からどんどん遊離して行く選挙制度としか思えない。議員定数大幅削減だけでなく、二院制の是非(今の日本の政治に二院制は必要か?!)をも含め、わが国のあるべき選挙制度について問題提起してみたい。