憲法学会のご案内


憲法学会第116回総会並びに研究集会を、下記の通り開催いたします。ご多忙中とは存じますが、万障お繰り合わせの上ご出席下さいますよう、ご案内申し上げます。


平成28年8月13日

憲法学会理事長  慶 野 義 雄


1.日時

平成28年11月5日(土)午前10時より午後5時まで

受付開始 午前9時30分

2.会場

日本大学 通信教育部 (81 講堂)

〒102-8005
東京都千代田区九段南4-8-28

電話03-5275-8886

会場へのアクセス方法

交通案内など詳細は大学のページ内の「交通アクセス」をご覧ください。

3.総会幹事

総会幹事 日本大学 通信教育部 関根 二三夫

4.研究報告

午前の部

(1) クロアチアにおけるナショナリズム:EU 加盟とロマ保護政策から

立命館大学 山川 卓

司 会 立命館大学 龍澤邦彦

(2) 青少年保護と有害表現規制―ドイツを参考に―

日本大学 田上雄大

司 会 日本大学 池田 実

午後の部

(3) 選挙制度が憲法改正難度に与える影響 ―戦後日本を事例として

名古屋商科大学 北村 貴

司 会 姫路大学 野畑健太郎

(4) 憲法の最高法規性

高崎経済大学 齋藤康輝

司 会 東洋大学 名雪健二

(5)日本占領と昭和天皇

朝日大学 下條芳明

司 会 日本大学 東裕

5.役員会

総会当日の昼食時に開催の予定です。

6.総会

昼食後の午後1時30分より行います。

7.懇親会

午後6時より上野池之端「伊豆榮本店」( 03-3831-0954)で行います。

8.その他

(1) 総会及び懇親会の出欠について、送付済みの案内状に同封のはがきで、10月29日(土)までにご返信下さい。

(2) 平成28年度の会費(機関誌代を含む)8,000円を未納の方は、会場の受付にてお納め下さい。

(3) 懇親会にご出席の方は、懇親会費7,000円をいただきます。

(4) 平成26年度以降の主要な研究業績、学会に企画して欲しいテーマもしくは発表希望テーマを同封のはがきでお知らせ下さい。会員の方には、はがきに発表希望テーマを積極的に記していただき、その中から発表者を原則として決めることに致します。

(5) 宿泊は各自でご手配ください。


 

第116回憲法学会研究集会 発表要旨


 

(1)クロアチアにおけるナショナリズム:EU 加盟とロマ保護政策から

立命館大学 山川 卓

概要:現代の国民国家におけるナショナリズムのあり方を、クロアチアの事例から考察する。クロアチアは過去25 年あまりの内に国民国家としての独立からEU 加盟までを経験し、その過程で、時々の政治的目的と整合性をとる形で国家制度を変容させてきた。この報告では、EU 加盟とロマ保護という、国民国家のあり方を問い直すような課題の中で、いかにしてナショナリズムの論理が維持・再構成されたかを考察する。構成:はじめに 1.ナショナリズムと共同体 2.EU 加盟:ヨーロッパ化かネイション化か 3.ロマという「課題」


 

(2)青少年保護と有害表現規制―ドイツを参考に―

日本大学 田上雄大

ドイツでは、基本法第五条第一項により意見表明の自由が保障されてはいるが、同条第二項により青少年の保護の為に法律で制約することが可能である。その制約対象には、歴史修正主義的な表現や、「非実在」の存在に関する表現などがある。本報告では我が国とは異なるドイツの特色を参考に、我が国での青少年保護のあり方について探りたい。


 

(3)選挙制度が憲法改正難度に与える影響 ―戦後日本を事例として

名古屋商科大学 北村 貴

本報告は、選挙制度が憲法改正難度に与える影響について分析・考察することを目的とする。「憲法改正の是非」をめぐる対立軸が政党/国民の間で形成されている場合には、憲法改正難度は選挙制度による影響を受ける。なぜならば、選挙制度による影響を受ける議会の「代表性」または「比例性」が、憲法改正手続における議会の可決要件の実質的な難度を規定するからである。こうした観点に基づき、選挙制度と憲法改正難度の関係について理論的に考察した上で、戦後日本を事例として取り上げる。


 

(4)憲法の最高法規性

高崎経済大学 齋藤康輝

憲法は「国の最高法規」である(日本国憲法98条)が、その思想的源流は、英国における「法の優位」の思想とそれを具現化した米国憲法第6条第2項にあり、これが日本国憲法第10章に継受された。本報告では、最高法規性と硬性性の関係を考察するとともに、形式的最高法規性と実質的最高法規性の理論の再整理を行う。また、「憲法の優位」に関する最近の議論を紹介し、憲法と私法の衝突についても言及したい。


 

(5)日本占領と昭和天皇

朝日大学 下條芳明

終戦から日本国憲法施行期までの詔書、勅語、御言葉、御製を読み直すことにより、昭和天皇は戦後の危機をいかに乗り切り、日本国憲法体制をいかに構築しようとしたのかを再検証したい。日本国憲法体制の形成に関しては、GHQ による創設という見方(「創る」の視点)が有力であるが、日本政府(昭和天皇)とGHQ との合作の側面(「生む」の視点)や大正デモクラシーの内発的発展の側面(「成る」の視点)にも目を向けてみたいと思う。


 


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