憲法学会のご案内


憲法学会第118回総会並びに研究集会を、下記の通り開催いたします。ご多忙中とは存じますが、万障お繰り合わせの上ご出席下さいますよう、ご案内申し上げます。


平成29年8月15日

憲法学会理事長  慶 野 義 雄


1.日時

日時:2017年11月4日(土) 午前10時より午後5時まで

受付開始 午前9時30分

2.会場

慶應義塾大学 三田キャンパス 北館ホール

〒108-8345
東京都港区三田2丁目15−45

電話 03-4577-1517

会場へのアクセス方法

交通案内など詳細は大学のページをご覧ください。

3.総会幹事

総会幹事 慶應義塾大学 新保 史生

共催

慶應義塾大学SFC研究所

JST-RISTEX「人と情報のエコシステム」研究開発領域

「法・経済・経営とAI・ロボット技術の対話による将来の社会制度の共創」プロジェクト

4.シンポジウム

「AI時代における憲法問題の変容」

総合司会 慶應義塾大学 新保 史生

午前の部

(1)AI時代における新たな憲法問題の概要

パネリスト 慶應義塾大学 新保 史生

(2)ロボットをめぐる国際的なガバナンス:EUを事例として

パネリスト 立命館大学 川村 仁子

(3)AI・ロボットと行政

パネリスト 高崎経済大学 新田 浩司

(4)自律型兵器の利用と安全保障

パネリスト 東洋大学 齋藤 洋

午後の部

「特別報告」今のAIに何ができるのか

パネリスト 駒澤大学 井上 智洋

午前及び午後の報告に関する質疑応答

5.役員会

総会当日の昼食時に開催の予定です。

6.総会

昼食後の午後1時30分より行います。

7.懇親会

午後5時30分よりファカルティクラブ内において行います。

8.その他

(1) 総会及び懇親会の出欠について、送付済みの案内状に同封のはがきで、10月28日(土)までにご返信下さい。

(2) 平成29年度の会費(機関誌代を含む)8,000円を未納の方は、会場の受付にてお納め下さい。

(3) 懇親会にご出席の方は、懇親会費6,000円をいただきます。

(4) 平成27年度以降の主要な研究業績、学会に企画して欲しいテーマもしくは報告希望テーマを同封のはかきてお知らせ下さい。会員の方には、はかきに報告希望テーマを積極的に記していたたき、その中から報告者を原則として決めることに致します。なお報告希望者は、予め報告内容を記した要旨(1600字程度)を事務局までご連絡ください

(5) 宿泊は各自でご手配ください。


 

第118回憲法学会研究集会 発表要旨


 

AI時代における新たな憲法問題の概要

慶應義塾大学 新保 史生

AIの急速な進歩と将来的に普及が見込まれる自律型ロボットとの共生に向けて、AI時代における新たな憲法問題に関する議論に早急に着手する必要がある。AIの自律と基本的人権の保障(プライバシーの権利など個人の人格的利益の保護、法の下の平等、表現の自由、勤労の権利や義務など)や安全保障(軍事利用やテロ対策、自律型兵器、ドローン)をめぐる問題など、喫緊に検討が必要な課題からシンギュラリティを見据えた憲法研究の嚆矢としたい。


 

ロボットをめぐる国際的なガバナンス:EUを事例として

立命館大学 川村 仁子

先端科学・技術、特にAIを含むロボット技術は、人類が抱える問題を解決する「希望」である一方で、人間社会や安全への「脅威」ともなり得る。故に、ロボットをめぐるガバナンスでは(1)研究の自由を妨げずにいかにしてリスク管理を行うか、(2)予想を超える被害に備えるために国際的な官民連携をいかに形成するかが鍵となる。憲法的な課題に触れつつ、国内法、EU法、国際法、非国家主体による自主規制という多層的なロボット法の可能性と課題を検討する。


 

AI・ロボットと行政

高崎経済大学 新田 浩司

憲法は、自由な研究の保障、あるいは、自由な経済活動の実施のための権利を保障している。しかしながら、自由な科学技術の研究、自由な経済活動に対しては一定の歯止めが掛けられ、統制がなされる。つまり、研究の実施を許可制にしたり、特定の研究そのものを禁止する。AI・ロボットについても同様であり、これらの進歩に対して法がハードルあるいはブレーキになっている側面がある。これらについて行政法学の見地から課題を論じる。


 

自律型兵器の利用と安全保障

東洋大学 齋藤 洋

人間による直接的な操作なしに攻撃が可能な自律兵器システムの開発が進んでいるが、日本国内においては議論がなされていない状況にある。この問題に関しては、国際社会では根拠のない想像的期待を含めて、哲学的アプローチ、規範先行型アプローチ、学説的アプローチの三方面から研究あるいは規制が進められているが、今回は学説的アプローチの立場から問題の提起を試みることにする。


 

今のAIに何ができるのか

駒澤大学 井上 智洋

今主流のAI技術は、20世紀のものとは決定的に異なっており、「ルールベース」ではなく「機械学習ベース」である。そのために、画像認識や音声認識に関連した実用化が多くなされている。特に、ニューラルネットワークの一種である「ディープラーニング」と報酬を最大にするようなアクションをとれるようにする「強化学習」を組み合わせた「深層強化学習」は有望である。簡単なゲームに限っては汎用性を持つAIである「DQN」や囲碁AIの「アルファ碁」もこの深層強化学習に基づいている。


AI関係の参考文献



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