憲法学会第99 回総会並びに研究集会を、下記の通り開催いたします。ご多忙中とは存じますが、万障お繰り合わせの上ご出席下さいますよう、ご案内申し上げます。
平成20年3月15日
憲法学会理事長代行 高乗正臣
電話 0596-22-0201(代)
会場へのアクセス方法は、こちらをご覧ください。
午前の部
- 総会及び懇親会の出欠について、同封はがきで、6月14日(土)までにご返信下さい。
- 平成20年度の会費(機関誌代を含む)8,000円を未納の方は、会場の受付にてお納め下さい。
- 懇親会にご出席の方は、懇親会費5,000円をいただきます。
- 会場付近は、飲食店の数が限られているため、昼食につきましては大学で用意していただく昼食のお弁当(1000円)の申込をお勧めいたします。お申込は出欠はがきの申込欄に○印を付けて下さい。
- 平成18年度以降の主要な研究業績、学会に企画して欲しいテーマもしくは発表希望テーマを同封のはがきでお知らせ下さい。会員の方には、はがきに発表希望テーマを積極的に記していただき、その中から発表者を原則として決めることに致します。
- 会場付近の案内は、こちらをご覧ください。
- 宿泊につきましては、直接ご手配ください。
要旨
昭和6年の憲政危機とは、満州事変勃発から第二次若槻内閣退陣までの一連の過程である。当時の「憲政の常道」は憲法習律として確立しており、その変更には革命かクーデターしかなかった。最終的に「憲政の常道」は大きく動揺するが、その本質は「軍部」など外部の圧力ではなく、協力内閣運動による二大政党の自滅である。これらの過程を憲法史的に考察し、統帥権や閣僚罷免権に関しても、知られていない事実を提示しながら検討する。
要旨
入国審査手続における個人識別情報(指紋及び顔写真)の提供の義務化、顔貌認識システムを用いたテロリストや指名手配犯の自動識別装置の実証実験など、テロを未然に防止するために新たな情報技術を用いた様々な取り組みがなされている。
本報告では、テロ対策等を目的とする情報システムの稼働に関し、公共の安全確保と秩序維持に伴う公共の福祉による基本的人権の制約に関する検討にとどまらず、バイオメトリクスの利用に伴う問題や、「プライバシー影響評価(PIA)」など新たな試みによる人権保障のための事前評価手法を実施することの憲法的意
義について考察する。
要旨
法理的、法形式にみれば、現行の日本国憲法は明治の大日本帝国憲法の第一回目の改正によるものである。従って次回改正は帝国憲法の第二回目の改正となる。憲法の連続性から我々のめざすこれからの改正は、やはり帝国憲法に一旦戻ってそこから精神が骨抜きされた現憲法の見直し再検討をはかるべきである。とくに明治の先人たちが、神武建国以来のわが国の歴史にもとづく国体研究を基礎に心血を注いでつくりあげた帝国憲法第一章の天皇条項が最重要で、そこから「日本国らしい憲法」を新たに構想すべきである。
要旨
タイ王国では、1932年に近代憲法を導入して以来、現行の2007年憲法まで、じつに18あまりの成文憲法の制定と改廃を繰り返してきた。しかし、タイのどの憲法でも、国王の地位はきわめて強力にして不変であり、1949年憲法以降は、主権在民を基礎にしながら、「国王を国家元首に戴く民主主義」というタイ独自の立憲君主制の政体を堅持してきた。本報告は、“ジェットコースター・ポリテックス”とも称される急激な政治変動にもかかわらず、現在のプミポーン国王(1946年即位)の治世下において着実な発展を遂げてきたタイ立憲君主制の形成と特色について、西洋君主制の場合とは異なるタイ的精神風土をも視野に入れながら、とくに憲法政治史的観点から考察したい。